題:こんな幸せが日常なら、僕は幸福に殺されてしまうよ
「ネックレス?」
可愛らしいラッピングを解いた中にあったのは、可愛らしいネックレスだった。
私の彼氏は一体何を思って突然プレゼントをくれたのだろうか。
可愛いし好きなタイプのものだけどネックレスかぁ。
今付けてるペンダントが気に入ってるだけに、喜びきれないのがもどかしい。
「いつもそれだし、たまには違うのもって思ったんだけどあんまり好きじゃなかった?」
私の反応を見て、不安そうにしている。
小動物みたいで可愛いな、という言葉を胸に仕舞ったが頬が緩むのを感じた。
「可愛いし好きなタイプのだよ」
普段着る服に合うものを選んでくれたのも嬉しい。
私のことを良く見てくれているんだなぁ、なんて。
「それにしては嬉しくなさそうだけど」
「嬉しいよ」
感情が追いついてないだけで。
優の反応もネックレスも可愛くて仕方が無い。
「いつも付けてるこれが気に入ってるからさ」
お揃いだし、とは言えなかった。
優が付けているのを見てどこか安心している自分がいることを知られたくない。
「ていうか、なんでいきなり?」
プレゼントをもらうようなイベントはなかったはずだ。
優の誕生日は近いけど、それはむしろ私がプレゼントを渡すべきな訳で。
「なんか、見かけたから」
あ、これは理由教えてくれないやつだな。
優はたまにそういうことがある。
大体はお菓子だけど、本当に突然渡してくることがあるのだ。
形に残るものは珍しい気もするが、今回もそういった感じだろう。
要は気にしたら負けということだ。
「まぁでも、嬉しいよ。ありがとう」
そう言うと優は嬉しそうに笑った。