やきもち

題:依存


最近、知心がやけに距離をおいている。

今までは結構な頻度で電話がかかってきたり、会いたいと言ってきたのに全くと言っていいほどそれがない。

俺に依存しているのはわかっている。

それを心地よく感じてしまっていたので、なくなるとそれはそれで不安なのだ。

俺じゃ知心を救えないとでもいうのか。

知心は性根が優しいから、明確な拒絶をしないだけなんじゃないか。

これじゃ俺が知心に依存しているみたいだな。

事実、そうなのかもしれないけれど。

もしかして、友人にまた何か言われたのだろうか。

知心の友人はよく言えばあっさりしている人が多いイメージがある。

付き合いやすくていいと思うが、打たれ弱いところもある知心には時々刺さる言葉を投げかけているように見えるのだ。

まあ、友人関係にまで口を出す気はないが。

「面白くはないんだよなあ…」

歯に衣着せぬ物言いをするやつも、それをへらへらしながら聞いてるやつも。

どっちにも思うところはある。

だが本人がそれを受け入れてしまっている以上、俺にできることはない。

「はー…」

全部俺に打ち明けてくれればいいのに。

俺には言えないこともあるのだろう、それは仕方ない。

でも、頼る相手が違うんじゃないかと思ってしまう。

甘やかすだけじゃ駄目なんだと分かってはいる。

分かっているだけだ。

実際どうだ?

俺は知心のことを甘やかし続けている。

そのまま、依存してしまえと。

ただ、この醜い感情は悟られないように隠している。

知心が俺を必要ないと判断した時、俺はそっと引けるんだろうか。

「無理だろうなあ」

結局、依存してるのは俺なのかもしれない。