無関心

題:君の心が壊死していくのを、乾いた瞳でずっと見てた


「あーやってらんない」

自分がつまらない性格をしているのは知っている。

別に面白くなろうとも思ってはいない。

就活を控えたこの時期に、自分の性格を良く伝える方法が必要なことくらい分かっていた。

「また再提出?」

また、とは随分な言い方だろう。

好きで再提出になっている訳ではない。

「なんか、知心らしくないよね」

「はぁ?」

らしいとからしくないとか、何をもってそう思うのか。

あぁ、腹が立つ。

些細なことで苛立ってしまうのは良くないと分かっていても、どうしようもなく頭に来るのだ。

「ちょっと余裕なさすぎるんじゃない」

「そう思うなら変に構わないで欲しいんだけど」

なんでこう刺々しい言葉しか言えないんだろう。

自分で自分に嫌気が差して、作業を捨てた。

こんな気持ちじゃ何をしてもうまくいかないことは何度も経験したからいい加減わかる。

余裕がないのもあながち間違いじゃない。

…だからこそ指摘されると腹が立つんだけど。

「ねえ知心」

「なに」

私は何に焦っているんだろう。

面白いとか面白くないとか、先生が気に入るかどうかだけで決められるのが気持ち悪い。

気に入られるタイプじゃないことは百も承知だ。

とりあえず次の連休はどっか行こう。

こういう時はそう、全部ぶん投げて一旦気持ちをリセットするんだ。

「捨てないでね」

はぁ。

いつもそうだ。

見透かしたようにこうやって、人が吹っ切れようとすると自分は大丈夫だと言って欲しそうにするんだ。

「別に連れてけって訳じゃないけど、そのまま居なくなったら嫌だし」

居なくなる、かぁ。

それが出来たらどれだけ楽だろうか。

「…そうね」

どうせ無理なんだけど。

逃げていられないし、いつかは向き合わなきゃいけない。

「やることはちゃんとやるし」

優が苦しそうな顔をしなくてもいいだろう。

…いや、そんな顔をさせているのは私が原因か。

誰がどこに行こうと勝手だと思う私が薄情なのか。