題:廃屋
よく部屋は心を映し出すなんて言われるけど。
自分の部屋はそこそこ片付けられてる方だと思う。
だから、そんなもの人によるんだろう。
自分の心を部屋に置き換えるなら、それはもう部屋ではない。
我ながら荒んでると思う。
周りの人間と比べると感情の揺れ動きが少ないせいなのかもしれない。
あの人も感情の起伏は全然ないが、それよりもないのかもしれない。
…それはそれで嫌だな。
こんなやつの傍で笑ってくれるが、自分は返せてるんだろうか。
お互いに変な所鋭いからバレてるだろうな。
心の部屋がまるで廃屋の様に荒み果てていることに。
気付いていて、それでいて傍に居る。
決して長く続くことはないこの関係。
あっちはどう思っているんだろう。
続けばラッキー、くらいの感覚かもしれない。
周りからは仲がいいなんて言われるけど、実際はこんな感じで。
お互いにお互いの冷淡さに気付いているくせに、何も知らないフリをしている。
こんな関係が続いてしまえば、それは沼でしかない。
どこかでキリをつける必要はあるかもしれない。
だけど今はまだ、許されるだろう。
せめて学生のうちは。
この廃屋を受け入れてくれたあの人と共に。